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北八ヶ岳 苔の森「コケの観察会」に行ってきました♪

北八ヶ岳の白駒の池周辺の苔の森。ここは国内に見られるコケの約4分の1(485種)が自生・群生している「日本の貴重なコケの森」です。
環境保全や学術的に貴重な場所というだけではなく、シラビソやコメツガの原生林、その足元に広がるみずみずしいコケの緑がつくる景色は、とても神秘的。海外のメディアでも日本の自然を体感できる場所だと紹介されているんですよ。
今回は、北八ヶ岳 苔の会が主催しているコケの観察会に参加してきました。

苔の森への入口は、長野県茅野市と佐久穂町を結ぶ、麦草峠(国道299号)の頂上近くにあります。八ヶ岳への登山口でもあるため、大きな駐車場が整備され、早朝からたくさんの車が停まっています。
6月半ばを過ぎたのに、長袖2枚でも肌寒い……それもそのはず、ここは標高2100m以上。日本で2番目に標高が高い(最高地点2127m)国道なんですって。

もう1枚上着を羽織り、トレッキングシューズとリュック、カメラを持って、いざ出発!

駐車場から森の中の遊歩道を15分ほど歩くと、観察会の会場、白駒の池に着きます。白駒の池(白駒池)は、八ヶ岳はおよそ100万年前に噴火がはじまり、白駒の池は、山あいのくぼ地がせき止められて、生まれた湖。実はこの火山活動が、コケの森を作ったらしいのですが……?

講師の樋口正信先生(右)と白駒荘のご主人・辰野廣茂さん(左)

コケの観察会は、白駒の池周辺の山小屋(白駒荘・青苔荘・麦草ヒュッテ)と、南佐久北部森林組合で結成した北八ヶ岳 苔の会が開催しています。
コケの解説をしてくださるのは、樋口正信先生。東京国立科学博物館で世界中のコケを研究し、コケの専門書や図鑑も多数執筆されています。
白駒荘のご主人・辰野廣茂さんと、苔の会事務局の遠藤隆也さんも観察会に同行。コケはもちろん、北八ヶ岳の森の成り立ちや野生動物についてもお話ししてくれます。

湖沿いから森の中に入っていきます。
激しくデコボコの地面に立ち並ぶ、根元が曲がりくねったり浮き上がったりしている木々、それをびっしりと覆い尽くすコケ……な、なんだこの世界。
よくある「土があって、木や草が生えている」森とは全然違いますね。

観察ポイントに来ると、樋口先生によるコケの種類や特徴の解説が始まります。

そもそもコケは、陸上でもっとも体のつくりが簡単で、原始的な植物。今から数億年前、まだ陸に生物がいなかった時代に、初めて海から陸へ進出したのがコケだと考えられています。
コケは光合成によって、それまで、ほとんど酸素のなかった陸上を生き物が暮らせる環境にしていったんだとか……そう聞くと、地味なコケが急に偉大な存在に思えてきます。

日当たりのいい岩に貼りつくクロゴケ。乾燥した場所を好むので、岩場で見る機会も多いですね。
コケには根がないので地面から栄養や水を吸収せずに生きています。自分で水を蓄えられないため、多くの種類は水辺や湿った森などに生えることが多いのだそう。

苔の森のハイライトのひとつ「もののけの森」。霧で霞んだ森の奥からなにか出てきそうな、ジブリアニメを思わせる光景です。
デコボコしている地面は、八ヶ岳の噴火によって生まれた溶岩の塊。栄養に乏しく、土もない場所に唯一生きられたのがコケでした。コケは長い長い年月をかけて溶岩の上に積み重なり、そこに落ちた植物の種を、土の代わりに育んだのです。
火山の噴火で湖ができ、岩の上でも生きられるコケが水辺からだんだん広がって、森を形づくった……この場所には、気が遠くなるような自然の物語が存在しているのですね。

コケの上で生長し、岩の上にへばりつくように生えた木。過酷な環境です。
こうして立っている木は根が浅いので、雪や強い風が吹くと、自分の体を支えきれずに倒れます。すると森に再び光が差し、その場所にコケが生え、次の世代の木々が育っていくのだそう。

地面を保護するために苔の会の皆さんが整備した木道をたどって、森の中を進みます。

ヨシナガムチゴケ。小さな小さなムチのような枝が隠れています。

タチハイゴケ。生育場所によって立ったり這ったりと融通がきくコケ。

ホソバミズゴケ。体の中の枯れた細胞を利用して水を貯め、触るとジュワーっと水がしみ出るので「ミズゴケ」と言います。
残念ながら2週間近く雨が降っていないので、ちょっと乾燥気味。

セイタカスギゴケの群落。鮮やかな緑は雨上がりだと、さらに幻想的な美しさをまといます。

しゃがみこんで観察する参加者の皆さん。ふかふかのコケをなでたり、ルーペでのぞき込んだり、思い思いに自然と触れ合い中。
胸に沁みとおるような空気、鳥のさえずりも相まって、とっても癒やされます。

観察ルートの途中、白駒湿原に生えるウマスギゴケ・ヒメミズゴケ。
樋口先生によると、これだけ多くのコケが観察できる森は、国内でもごくわずかなのだそう。高山の中なのにほぼ平坦な場所で歩きやすく、道路からのアクセスも抜群なため、非常に魅力的な研究フィールドだといいます。

「コケは環境の変化にとても敏感です。何万年と続いてきたこの森を守るには、人間の努力が欠かせません。地味なコケの世界ですけど、実はとてもドラマティック。観察会や森のガイド活動を通して、生命の大切さに触れてもらえたら嬉しいです」と話してくれました。

日本の固有種・ムツデチョウチンゴケ。観葉植物みたいにきれいな葉と、先端からちょうちんのようにいくつも伸びる胞子体が、なんともかわいいやつ。
苔の森のイメージキャラクター「こけ丸」のモデルにもなっています。

こけ丸グッズも販売中。頭の胞子体の向きが揃っているのも、リアルを追求したこだわりポイント。

2時間の観察会の後はティータイム。白駒荘自家製の、食用ほおずきを使ったレアチーズケーキが美味! ほおずきの上品な香りや酸味が爽やかです。

参加者全員、樋口先生からお土産にとタマゴケの「たまちゃん」をいただきました。

「苔の森観察会」は、10月まで毎月開催されています。また北八ヶ岳 苔の会のガイドによる「コケとの出会い・観察ツアー」なども行っているそう。
詳しくは北八ヶ岳 苔の会 ウェブサイトをご覧ください。


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