HOME > 特集 > コラム カメラを通して見る、信州の魅力。

信州の魅力は、ここにある。
カメラを通して見える、
信州の懐の深さ。

信州生まれの写真家・秦達夫さんは、世界を舞台に活躍する一方で、精力的に信州の風景を撮り続けています。その広い視野から見た、故郷・信州の奥深い魅力について聞きました。

写真家 秦達夫さん

写真家秦達夫さん プロフィール

1970年長野県生まれ。自動車販売会社退職後、バイクショップに勤務。後に家業を継ぐ為に写真の勉強を始めるが写真に自分の可能性を見出し写真家を志す。写真家竹内敏信氏の弟子となり独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を16年間取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトルの写真集を信濃毎日新聞社から出版『山岳島_屋久島』写真集(日本写真企画)は8年間で400日を越える取材を敢行。小説家・新田次郎氏『孤高の人』の加藤文太郎や『アラスカ物語』のフランク安田に憧れている。
日本写真家協会会員・日本写真協会会員・Foxfireフィールドスタッフ・クラブツーリズム講師
写真家 秦達夫 Official Site

入門者から上級者まで満足させる、広いフィールドがある

僕は山が好きで、故郷である信州の山によく登ります。信州は、北アルプスや南アルプスを踏破するようなハイスペックな登山者を満足させてくれるフィールドを持つ一方、初心者にやさしい山もたくさんある。車やシャトルバスで気軽に高地へ行けるアクセスの良さも、信州の大きな魅力だと思います。

地図を片手に気軽にハイキングから始めた人が、トレッキングを楽しみながら経験を積んで、最終的には3,000m級の山々をガイドさんと一緒に踏破することもできる。自分のレベルに合わせたコース取りができるというのは、信州ならではのフィールドの広さ、素晴らしい懐の深さだと思いますね。

夏でも雪の残る穂高連峰が美しい上高地

同じシーズンでも、季節のギャップが楽しめる

他県にない信州の風景の大きな特長は、「標高差」から生まれる季節のギャップでしょう。3,000m級の山々があり、それが里から普通に見える環境は珍しいです。標高差があるということは季節の移り変わりにタイムラグがあるということ。

里は夏だけど山はもう秋だとか、山はまだ冬だけど里には春が来たとか。しかも交通網が整っているので、例えば山で冬のスポーツや景色を満喫したあとにその足で移動して、里で春の花を楽しむ。そんなワクワクするギャップが楽しめるエリアはなかなかないですよ。

「桜」を見に行こうと思った時に、もし里では花が散ってしまっていても、少し山に行けばまだ満開というケースが普通にある。旅の日程がずらせない時などにも、信州は標高差で対応できますから、これはありがたい。

加えて信州は「南北に長い」。南と北では植生も違いますし、季節の進み方も違うので、それに合わせて行先や日程を組むことができますね。

美ヶ原から眺める雲海

その場所の表情を表す素材、「雲」

雲がすごく好きです。雲はさまざまな気象変化によって生まれます。山に登っていると、生まれては消え、また違った形で発生する、刻々と変わる雲の姿を間近に見ることができます。

雲は、その場所の表情を表す素材。怒っている、笑っている、穏やかにしている…。雲を観察していると、景色全体がそんな風に見えてきます。

雲一つない風景も清々しくて良いのですが、眼下にブワーっと広がる雲海には、とても表情があります。地形や気象条件によって、雲は絶えず変化します。

この瞬間のこの景色、この表情は、僕にだけ見せてくれているんだと思うと、とてもありがたい気持ちになります。

  • 高ボッチの朝焼け
  • 早朝の雲は幻想的

雨が降ると、自然が光り始める

写真家にとって、雨の日は最高です(笑)。
雨は嫌だという人が多いと思いますが、体や荷物が濡れて憂鬱な気分になるからでしょうね。それは人間の心理として仕方ないと思います。

しかし、雨が降ることによって、岩が濡れる、木肌が濡れる。濡れると、それぞれの「質感」がメチャクチャ出てくるんですよ。自然が光り始める。本当にきれいです。

例えば、昨年のJRのテレビCMで有名になった白駒池の苔むした森も、濡れてしっとりした感じでないと、あの独特の雰囲気は出てこないでしょう。

雨が降ると植物も元気になります。雨露をたくわえて花もイキイキする。霧も出てくれば、晴れの日とは一変した風景になります。

雨が降った時こそ心に余裕を持ち、足を止めて周りを見てほしいですね。雨に濡れることによって、今までとはまったく違った景色が目に飛び込んでくると思います。撮影は大変ですが、僕はわざと雨の日を狙って(しっかりカッパを着て)、喜んで出かけていくんです。

霧が上がってくると風景が一変
  • 雫が、花の輝きを増す
  • 乗鞍の善五郎の滝

少しでも地域に潤ってもらうために

職業柄、写真愛好家の方と接する機会が多いのですが、よく彼らに言うのが「撮影地に行ったら何でもいいので、そこで何かを買って帰ってほしい」ということ。

僕はお酒が飲めないので地方に行っても夜に飲食店で食事をすることも少なく、偉そうなことは言えないのですけれど、できるだけその土地のものを食べたり飲んだりしてほしいです。僕はソフトクリームに目がないので、信州のご当地ソフトには飛びつきます(笑)。

恩返しというか、その地域の経済が動くような行動が大事だと思います。地元としてお金が落ちるシステム作りと、それに協力する気持ちを持っている人たちに来てもらうということが大切です。

澄んだ星空は、いまや信州の顔に

信州の星はきれいですね。街の明かりに邪魔されない里の方に足を延ばせば、無数の星が降ってくるようです。さらに少し高いところに登れば、まさに満天の星空で、星が手に届きそう!という感覚も実感できます。

信州は星がきれいに見られるところが多いですね。南信州の阿智村は、夜にゴンドラを動かして標高1,400mまで上がる「星空ツアー」で一躍有名になりましたし、東信州の長和町は「星で町おこしをしたい」ということで、僕は写真家として協力させてもらっています。

これまで地元の人にとって身近過ぎた環境が、観光の資源になると気づき始めたことで観光地として整備されるようになり、より行きやすくなってきたんですね。写真愛好家たちも「星を撮りたい」という人は多く、被写体として星の人気はかなり高いです。

星空は、昼間の大自然の眺望とはまた違った、信州の「顔」と言えるでしょう。

  • 遠山郷の小学校で星観察
  • まさに満天の星空@美ヶ原

伝統の「技」と「人」が、信州の気質を物語る

実は、信州を表現するのに、きれいな風景だけでは足りないと感じています。そこで暮らし、働く人々、信州人の県民性を表現することによってこそ、信州の良さが浮かび上がってくるのではないかと。信州でものづくりをする人々を見つめていると、信州人の真面目さや実直さ、新しいものをつくりたい、古いものを守っていきたいという様々な思いと姿が垣間見えてきます。

阿島傘 最後の職人の技

中には、この人の代で終わってしまうというケースもあります。例えば、飯田地域の「阿島傘」。
もう作っている人が、年配の女性一人だけなんですね。
彼女は「私がやめたらこの阿島傘は終わり」と言うのです。寂しい話ですが、仕方ない。

では、僕にできることは何だろうと考えたら、彼女の今の姿を記録としてきれいに残しておくこと。これが故郷に対する写真の取り組みかな、と思うのです。

これからも豊かな自然だけでなく、職人の姿も取り続けることで、信州を表現していきたいと思っています。

秦達夫さんが審査員を務める「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州フォトコンテスト夏」はこちら!

世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州フォトコンテスト夏

募集期間2018年71日〜820日12時(正午)
募集テーマ
  • 「癒し」部門
  • 「アウトドア」部門
  • 「歴史・文化」部門
  • 「食」部門
入賞商品
  • グランプリ/計4名(部門毎に各1名)マウスコンピュータ Windows10搭載 タブレットPC(2in1タイプ)
  • 準グランプリ/計8名(部門毎に各2名)Iiyama製ディスプレイ「ProLite X2888HS-2」
  • 入選/計20名(部門毎に各5名)長野県名産品詰め合わせ
  • 入賞作品は、長野県および信州キャンペーン実行委員会が観光PRなどに使用するほか、マウスコンピュータ、GANREF等の各種メディアのホームページ、広告、宣伝、スクリーンセーバーなどに使用する場合があります。
  • 募集サイトの応募規約をよくお読みの上ご応募ください。
  • 結果発表はGANREF等で2018年10月下旬を予定しています。

主催:株式会社マウスコンピューター / 共催:信州キャンペーン実行委員会

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