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令和の虎

【令和の虎】中江和喜(靴下)とは何者?母が開発した「つつした」とは?経歴・事業内容・300万円ALLの結果を調査

【令和の虎】中江和喜(靴下)

令和の虎・関西版に母親と一緒に登場した中江和喜(なかえ かずき)さん

中江さんが今回、虎たちにプレゼンしたのは、母親が長年の靴下作りの経験をもとに開発した、

「つつした」

という一風変わった靴下でした。

かかとがなく、まるで筒のような形をしている「つつした」。

サイズを選ばず、締め付けや靴下の縫い目などに悩んでいる人でも履きやすいよう工夫された商品です。

ところが、中江さんが令和の虎へ持ち込んだ事業計画に対して、虎たちからは、

「甘すぎる」

「300万円出しても絶対返ってこない」

「エビデンスがないと難しい」

など、厳しい意見が続出。

一時は300万円の出資獲得はかなり難しいようにも見えました。

しかし終盤、中江さんが母親への思いを語り涙を流したことで、状況が大きく変わります。

果たして結果はどうなったのでしょうか。

この記事では、中江和喜さんの経歴から「つつした」の特徴、令和の虎で厳しく指摘された事業計画の問題点、そして300万円ALLを達成するまでの経緯について詳しく紹介します。

【今回のポイントまとめ】
  1. 中江和喜とは何者?
    1. 中江和喜さんのプロフィール
  2. 母・中江優子とは?
  3. 樋口メリヤス工業は1933年創業の老舗メーカー
  4. 「つつした」とは?
  5. 「つつした」はお客さんの悩みから誕生した
  6. 普通の靴下と「つつした」は何が違う?
    1. ① かかとのない筒状の形
    2. ② 履き口のゴム糸を使用しない
    3. ③ 肌に触れる部分に天然素材
  7. 実は「つつした」は生産効率が非常に悪い
  8. 令和の虎で希望したのは300万円
  9. 中江和喜が考えた「介護施設への販売」
  10. 虎が問題視した「エビデンス」
    1. 「つつした」は医療機器ではない
  11. 「BtoBで売るなら卸価格はいくら?」で答えられず
  12. 虎から「300万円は絶対返ってこない」と厳しい評価
  13. ところが「つつした」そのものは評価された
  14. 実は「つつした」は対面販売に強い商品だった
  15. 中江和喜が涙を流した理由
  16. 「母親を守りたい気持ちが強すぎて空回りしている」
  17. まさかの300万円ALL達成
  18. ALLになっても「どうするの?」という問題が残った
  19. 令和の虎出演後、「つつした」はどうなった?
  20. 実はクラウドファンディングでも150万円を達成
  21. 今回の令和の虎から学べる5つのこと
    1. ① 良い商品=売れる商品ではない
    2. ② BtoCとBtoBでは売り方がまったく違う
    3. ③ 「誰に売るか」を絞ることが重要
    4. ④ 商品ではなく「技術」を売る方法もある
    5. ⑤ ストーリーは強い武器になる
  22. まとめ|中江和喜は母が守ってきた「つつした」を救うため令和の虎に挑戦
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中江和喜とは何者?

中江和喜さんは、老舗靴下メーカー「樋口メリヤス工業」の再建と、「つつした」を世の中に広めるために活動している人物です。

令和の虎出演時は30歳。

動画では、母親の中江優子さんと2人で登場しました。

中江和喜さんのプロフィール

名前:中江 和喜(なかえ かずき)

年齢:30歳(出演時)

出身大学:グランドキャニオン大学

過去の勤務先:ウェイングループ/バックステージグループ

現在:東京都内のマーケティング会社で営業職

母親:中江優子さん

家業:樋口メリヤス工業株式会社

商品:つつした

令和の虎での希望額:300万円

希望形態:投資

目標:足に悩みを抱える人へ「つつした」を届け、母親を幸せにする

動画によると、中江さんはアメリカ・アリゾナ州にあるグランドキャニオン大学を卒業。

その後、水口貴文さんが率いるウェイングループ/バックステージグループに就職しました。

同社を退職した後、出演時点では東京都内のマーケティング会社で営業職として働いています。

しかし今回の令和の虎出演の中心にあるのは、中江さん自身の会社員としての仕事ではありません。

母親が長年守ってきた靴下事業を立て直したい。

その思いから令和の虎に挑戦しました。

母・中江優子とは?

今回の動画では、中江和喜さんだけでなく、母親の中江優子さんも重要な人物です。

中江優子さんは、

樋口メリヤス工業株式会社の代表取締役。

同社の公式サイトによると、1933年創業の会社を受け継ぎ、長年靴下作りに携わってきました。

中江優子さん自身も、製造業界に35年ほど関わってきたと番組内で説明しています。

しかし、日本の靴下業界を取り巻く環境は大きく変化しました。

海外の安価な製品との価格競争などによって国内工場が減少。

樋口メリヤス工業も厳しい経営状況を経験しています。

それでも中江優子さんが靴下作りを続けてきた理由の一つが、

「お客様が本当に困っている靴下を作りたい」

という思いでした。

樋口メリヤス工業は1933年創業の老舗メーカー

「つつした」を製造しているのが、

樋口メリヤス工業株式会社

です。

公式サイトによると、創業は1933年3月1日。

非常に長い歴史を持つ会社です。

現在の本社・店舗は大阪府豊中市にあります。

もともとは軍足を製造する工場としてスタート。

戦後は衣料品店などへ靴下を卸す大量生産型の会社へ変化していきました。

ところが、その後、日本の繊維産業を取り巻く環境が大きく変わります。

価格競争によって生産拠点が海外へ移り、国内の靴下工場が次々と減少。

樋口メリヤス工業も経営危機を経験しました。

中江優子さんは番組内で、会社を引き継いだ時には「倒産状態」だったと振り返っています。

そんな厳しい状況の中でも靴下作りを続け、顧客から直接悩みを聞くことで生まれたのが「つつした」でした。

まずは、母・中江優子さんが「つつした」を開発し、中江和喜さんが令和の虎へ挑戦して300万円ALLを達成するまでの流れを時系列で見てみましょう。

【令和の虎】中江和喜(靴下)

「つつした」とは?

「つつした」は、一見すると普通の靴下とはかなり違います。

最大の特徴は、

「かかとがない」

ことです。

名前の通り、ほぼ真っすぐな筒状の靴下になっています。

一般的な靴下には、

「ここがつま先」

「ここがかかと」

という形があります。

しかし「つつした」には基本的にかかと部分がありません。

そのため、公式サイトでは、

サイズや男女の区別がない

と説明されています。

足の形や幅に合わせて自然にフィットする設計となっており、足の大きさによって丈感が変化します。

では、なぜこんな靴下が誕生したのでしょうか。

「つつした」はお客さんの悩みから誕生した

中江優子さんは百貨店などで直接販売する中で、さまざまな靴下の悩みを聞いてきたといいます。

たとえば、

・ゴムがきつい

・サイズが合わない

・かかとの位置が合わない

・肌が弱く普通の靴下ではかゆくなる

・靴下の縫い目が気になる

・むくみが気になる

・蒸れやにおいが気になる

などです。

「これだけ多くの人が靴下に不満を持っているのであれば、それを解決する商品を作れないか?」

そうして試行錯誤を重ねて誕生したのが「つつした」です。

普通の靴下と「つつした」は何が違う?

ここは今回の記事で最も知っておきたいポイントです。

単に、

「かかとのない変わった靴下」

というだけではありません。

公式サイトを確認すると、大きく「形」「素材」「編み方」に特徴があります。

① かかとのない筒状の形

「つつした」には、かかとがありません。

これによって、

「かかとの位置が合わない」

という問題そのものをなくしています。

サイズフリーで、性別による区別もありません。

足の形に合わせて伸縮する仕組みです。

そのため、靴下の向きを確認するのが難しい人などにも使いやすいというメリットがあります。

② 履き口のゴム糸を使用しない

一般的な靴下で、

「履いた後、足首にゴムの跡がくっきり残った」

という経験がある人も多いのではないでしょうか。

「つつした」では、一般的な履き口のゴム糸を使用していません。

代わりに、靴下全体に特殊な伸縮糸を使用。

これによって足全体へフィットさせています。

③ 肌に触れる部分に天然素材

さらに大きな特徴が編み方です。

一般的な靴下とは逆の発想で、

肌に触れる側に天然素材がくるように編んでいます。

公式サイトによると、肌に触れる側にはエジプト綿糸を使用。

一方で、伸縮性や耐久性が必要な外側には特殊な伸縮糸を使用しています。

つまり、

「特殊な伸縮糸で外側からフィットさせ、肌側には天然素材を配置する」

という構造です。

これが「つつした」の大きな特徴になっています。

実は「つつした」は生産効率が非常に悪い

商品の特徴だけを見ると、

「それなら大量に作って売ればいいのでは?」

と思うかもしれません。

ところが、ここに大きな問題があります。

非常に作りにくいのです。

番組では、一般的な靴下なら数分程度で作れるところ、「つつした」は1足作るのにかなり時間がかかると説明されました。

公式サイトでも、使用している特殊な伸縮糸は扱いが難しく、製造途中で機械を止めて手作業で修正しなければならない場合があると説明されています。

つまり、

履く人にとって快適な作り方を優先した結果、生産効率が悪くなっている

わけです。

これは商品の大きな魅力である一方、ビジネスとして考えると弱点にもなります。

令和の虎で希望したのは300万円

中江さんが今回希望した金額は、

300万円。

出資形態は「投資」です。

中江さんが描いた未来は、

「足で悩んでいる人へつつしたを届け、母ちゃんを幸せにしたい」

というものでした。

ところが開始早々、虎から厳しい指摘を受けます。

問題になったのが、

投資に対するリターン

です。

当初資料に記載されていたのは、300万円の投資に対して「つつした」を一定期間提供するという内容。

これに虎たちは、

「300万円を投資して、それだけなのか?」

と疑問を呈しました。

その後、中江さんから「営業利益の20%」という話が出ます。

しかし重要な投資条件が最初から明確に提示されていなかったため、出だしから厳しい展開となりました。

中江和喜が考えた「介護施設への販売」

中江さんが特に可能性を感じていたのが、

介護業界

でした。

これまで「つつした」は主に一般消費者向け、いわゆるBtoCで販売されていました。

しかし中江さんは、介護現場に新たな需要があるのではないかと考えます。

介護の現場では、

・靴下を履かせるのが大変

・むくみのある人がいる

・足の状態によって通常の靴下が履きにくい

といったケースがあります。

そこで、

介護施設や老人ホームなどへ「つつした」を販売するBtoB事業

を構想したのです。

アイデアだけを見ると、「つつした」の特徴と介護現場は非常に相性が良さそうに見えます。

しかし、ここで虎たちから非常に重要な指摘が出ました。

虎が問題視した「エビデンス」

介護施設へ商品を導入するとなれば、

「履き心地がいい」だけでは十分ではありません。

特に番組で問題になったのが、むくみや歩行など健康に関係する説明です。

虎から、

「医学的に問題はないのか?」

「介護施設で実際に導入して検証したのか?」

「エビデンスはあるのか?」

と質問されました。

中江さん側からは、医療関係者などに試してもらった経験が説明されました。

しかし、

「それはエビデンスとは違う」

と指摘されます。

ここは非常に重要です。

個人が、

「履きやすかった」

「気持ちよかった」

と感じることと、

医学的な効果が証明されていることは別問題

だからです。

特に高齢者や身体に不自由のある人へ商品を提供する場合、安全性について慎重な検証が必要になります。

「つつした」は医療機器ではない

ここは読者が誤解しないように補足しておきます。

公式サイトでは「つつした」について、サイズフリー、かかとのない形状、天然繊維を肌側に使用する構造などが説明されています。

一方で、今回確認した公式情報からは、

特定の病気を治療する医療機器として販売されている商品ではありません。

そのため、

「これを履けば○○が治る」

「血流が改善する」

などと医学的効果を断定するのは別の話になります。

番組内で虎たちが「エビデンス」を問題視したのも、この点です。

商品の履き心地や構造上の特徴と、医学的な効果は分けて考える必要があります。

「BtoBで売るなら卸価格はいくら?」で答えられず

さらに大きな問題が見つかります。

介護施設などへ販売するなら、

「いくらで卸すのか?」

を決めなければなりません。

ところが虎から具体的な卸価格を聞かれた中江さんは、

そこまで考えられていなかった

と回答しました。

これは事業計画として大きな弱点です。

BtoBでは、

販売価格

卸価格

製造原価

販売数量

利益

まで計算しなければ、

「300万円を投資して、本当に利益が出るのか?」

を判断できません。

そのため虎から、

「夢を語って300万円を出してくださいというのは違うのではないか」

という厳しい指摘が出ました。

虎から「300万円は絶対返ってこない」と厳しい評価

事業計画を聞いた虎からは、

「甘すぎる」

という評価も出ました。

さらに、

「300万円出しても、誰が見ても返ってこない」

という非常に厳しい意見まで飛び出します。

商品に魅力がないという意味ではありません。

問題なのは、

「どうやって売上を伸ばすのか」という具体的な道筋が不足していたこと

です。

介護施設へ販売したい。

航空会社へ売りたい。

人脈を使いたい。

こうしたアイデアは出てきます。

しかし、

「誰に営業するのか」

「何件営業するのか」

「いくらで卸すのか」

「何足売れば利益が出るのか」

「いつ投資を回収できるのか」

という数字まで落とし込まれていませんでした。

ところが「つつした」そのものは評価された

ここから流れが少し変わります。

虎が実際に「つつした」を履いてみると、

履き心地については好意的な反応

が出ました。

肌触りや通気性、軽さなどに対する評価です。

すると、

「この技術を靴下だけに使う必要はないのでは?」

というアイデアが出始めます。

たとえば、

・クッション

・枕・枕カバー

・肌着

・インナー

・帽子

・手袋

などです。

母・中江優子さんによると、技術的には小物やインナー、帽子、手袋などへの展開も可能とのこと。

ここで議論が、

「今の介護施設向けプランに投資するか?」

から、

「樋口メリヤス工業が持っている技術そのものを使って、新しい商品を作れないか?」

へ変わっていきます。

実は「つつした」は対面販売に強い商品だった

番組終盤には販売面でも重要な話が出ました。

「つつした」は百貨店などにも置かれています。

しかし、

商品を置いておくだけでは売れにくい

という特徴があるそうです。

一方で、中江優子さん自身がPOPUPなどで商品の特徴を説明すると売れる。

リピーターも増える。

つまり「つつした」は、

プッシュ型の販売と相性の良い商品

ということです。

これはビジネス上かなり重要な情報です。

見た目だけでは普通の靴下との違いが分かりにくいため、

「なぜ、かかとがないのか」

「なぜゴムを使わないのか」

「なぜこの価格なのか」

というストーリーを説明することで価値が伝わる商品だからです。

中江和喜が涙を流した理由

そして今回、番組の空気を大きく変えた場面が訪れます。

虎から、

「助けてください、でいいんじゃないですか」

と言われた中江さん。

それまで事業計画や商品の可能性を必死に説明していましたが、ついに本音を語ります。

中江さんは、自分がこれまで母親に迷惑をかけてきたという思いを抱えていました。

受験で失敗したこと。

私立へ通わせてもらったこと。

大学へ行く際にも家族の支援を受けたこと。

以前勤めていた会社でも期待された結果を出せなかったこと。

そうした経験から、

「母親に迷惑ばかりかけてきた」

という思いがあったようです。

だからこそ、

母親が人生をかけて守ってきた事業を立て直すことで恩返ししたい。

しかし自分の力不足によって、うまく事業計画を作ることができない。

その悔しさから、中江さんは涙を流しました。

「母親を守りたい気持ちが強すぎて空回りしている」

虎からは、中江さんについて、

「母親を守りたいという気持ちが強すぎて空回りしているのではないか」

という趣旨の言葉も出ました。

これは今回の動画を象徴する指摘だったと思います。

中江さんには、

「母親を助けたい」

「日本のものづくりを残したい」

「困っている人へ商品を届けたい」

という強い思いがあります。

しかし、思いが強いことと、

事業計画が成立することは別問題です。

序盤では、その2つが混ざってしまっていました。

ところが自分の弱さや未熟さを認め、本音を話し始めたことで虎たちの反応が変わります。

まさかの300万円ALL達成

そして最終的に――

希望していた300万円が揃いました。

ALL達成です。

ただし、通常の令和の虎のALLとは少し意味が違います。

虎たち自身も、

「具体的な販売戦略が完成しているから出資したわけではない」

という趣旨の説明をしています。

今回、虎たちを動かしたのは、

・中江さんの母親への思い

・中江優子さんが長年続けてきたものづくり

・「つつした」という商品の可能性

・樋口メリヤス工業が持っている技術

・親子で会社を立て直そうとする姿勢

でした。

つまり、

完成した事業計画への投資というより、「この親子と商品を何とかしたい」という支援に近いALL

だったと見ることができます。

ALLになっても「どうするの?」という問題が残った

非常に面白いのは、

300万円が揃った後も事業計画が完成していなかった

ことです。

番組内でも、

「視聴者からすると、結局これからどうするの?」

という問題が指摘されました。

出資した虎からも、

新商品を開発する。

販路を考える。

既存の人脈を紹介する。

技術を別の商品へ応用する。

など、今後一緒に事業を作っていく方向性が語られました。

つまり今回の300万円は、

完成したビジネスを拡大する資金ではなく、事業を再構築するためのスタート資金

という性格が強いでしょう。

令和の虎出演後、「つつした」はどうなった?

ここからは動画外の公開情報です。

現在も「つつした」の公式サイトは運営されており、さまざまなタイプの商品が販売されています。

公式サイトでは、

「靴下が履けない人がいない世界」

を目標として掲げています。

また、ネット通販だけではなく電話・FAXでの注文や、全国の取扱店舗での販売も案内されています。

さらに公式サイトでは、中江優子さんが現在も代表取締役として紹介されています。

つまり令和の虎出演時に語られていた、

「この会社を続けたい」「つつしたを必要な人へ届けたい」

という活動は現在も続いています。

実はクラウドファンディングでも150万円を達成

さらに公式サイトを見ると、令和の虎とは別に行われたクラウドファンディングについても紹介されています。

公式ブログによると、

目標としていた150万円を達成。

中江優子さんは、支援金額だけでなく、

「足が楽になった」

「母に履かせたい」

といった利用者からの反応が印象に残ったと振り返っています。

樋口メリヤス工業は1933年創業。

現在は100周年を目指して、次世代へ日本の靴下作りを残していく活動も進めています。

令和の虎での300万円ALLは、ゴールではなく、

老舗メーカー再建の一つの通過点

と考えた方がよさそうです。

今回の令和の虎から学べる5つのこと

ここからは動画と公開情報を踏まえた考察です。

今回の中江さんの回は、特に「良い商品なのに売れない会社」にとって参考になるポイントが多くあります。

① 良い商品=売れる商品ではない

今回最も重要なのはこれでしょう。

虎たち自身、「つつした」の履き心地については一定の評価をしています。

しかし会社の経営は苦しい。

つまり、

良いものを作れば自然に売れるわけではありません。

誰に売るのか。

どこで売るのか。

どうやって商品の違いを説明するのか。

いくらで売るのか。

これらが揃って初めてビジネスになります。

日本のものづくり企業が抱えやすい問題の一つとも言えるでしょう。

② BtoCとBtoBでは売り方がまったく違う

一般消費者へ靴下を売ることと、介護施設へ大量導入してもらうことは別のビジネスです。

特に介護・医療に近い分野では、

安全性や根拠がより厳しく求められます。

個人から、

「履きやすかった」

と言われるだけでは、大規模な施設導入の根拠として十分とは限りません。

中江さんが今回虎から厳しく追及されたのは、この部分でした。

③ 「誰に売るか」を絞ることが重要

「つつした」は非常に特徴のある商品です。

だからこそ、

普通の靴下を買う全員

をターゲットにする必要はないでしょう。

たとえば、

「一般的な靴下の締め付けが苦手な人」

「サイズ選びに困っている人」

「靴下の縫い目が気になる人」

「高齢の家族へのプレゼントを探している人」

など、

特徴が強く刺さる顧客へ集中する

という方法も考えられます。

大量生産品との価格競争を避ける意味でも重要です。

④ 商品ではなく「技術」を売る方法もある

今回虎から出た、

「靴下以外にも使えないか?」

という発想は非常に興味深いものです。

樋口メリヤス工業の資産は「つつした」という商品だけではありません。

長年蓄積してきた、

糸・編み方・製造技術そのもの

も資産です。

もしその技術を、

インナー

帽子

手袋

寝具

その他の衣料品

などへ応用できれば、会社の新しい柱になる可能性があります。

これは他の中小製造業にも当てはまる考え方です。

「今の商品をどう売るか」だけでなく、「自社の技術で他に何を作れるか」を考える。

今回の虎たちの提案から学べる重要なポイントです。

⑤ ストーリーは強い武器になる

「つつした」には、

1933年創業の工場。

国内靴下産業の衰退。

倒産危機。

母親が顧客の声を聞きながら開発。

そして息子が会社を残すため令和の虎へ挑戦。

という非常に強いストーリーがあります。

実際、番組でも最終的に虎たちの心を動かしたのは、

数字だけではなく親子のストーリーでした。

特に価格だけでは大手メーカーに勝てない中小企業にとって、

「なぜこの商品を作っているのか」

まで伝えることは重要です。

「つつした」は、まさにストーリーと一緒に販売することで価値が伝わりやすい商品の一例と言えるでしょう。

まとめ|中江和喜は母が守ってきた「つつした」を救うため令和の虎に挑戦

今回は、令和の虎・関西版に出演した、

中江和喜さん

について紹介しました。

中江さんが広めようとしている「つつした」は、1933年創業の樋口メリヤス工業が製造する、かかとのない筒状の靴下です。

サイズフリー。

履き口のゴム糸を使わない。

肌側に天然素材を配置。

普通の靴下とは逆の発想による独自の編み方。

こうした特徴を持っています。

しかし、

「良い商品を作ること」と「会社として利益を出すこと」は別問題。

令和の虎では、この現実を中江さんが突きつけられることになりました。

介護施設へ販売したいものの、十分な検証ができていない。

BtoBで重要な卸価格も決まっていない。

具体的な販路も確立していない。

投資回収の見通しも不透明。

そのため虎から事業計画を厳しく批判されました。

しかし中江さんが最後に語ったのは、

母親への恩返し。

これまで迷惑をかけてきた母親に、事業を立て直すことで恩返ししたい。

長年ものづくりを続けてきた母親の仕事を残したい。

その思いが虎たちの心を動かし、

300万円ALLを達成。

ただし、これは完成した事業への投資ではありません。

むしろ、

「300万円と虎たちの知恵・人脈を使って、ここから事業を作り直す」

というスタート地点に立ったと言った方がよいでしょう。

現在も「つつした」は販売されています。

そして樋口メリヤス工業は100周年を目指して、ものづくりを続けています。

中江親子が令和の虎で得た300万円と虎たちとのつながりを生かし、

老舗靴下メーカーをV字回復させることができるのか。

「つつした」が今後どこまで広がっていくのかにも注目です。

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